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ピンチ

 他県同様に茨城県もスタートこそ違いましたが、小、中、高が一斉に休校になりました。もちろん、これで対策が万全というわけにはいかないでしょう。

 前にも述べましたが、子どもたちは休みですが、保護者たちは子供たち同様に休暇というわけにはいきません。とくに働く母親の80パーセント以上は休暇を取ることが困難のようです。そうした中で、子どもの世話や学習にどう対応するかなどの問題は増すばかりです。

経済的にも豊かで学力の遅れを心配する親たちは、塾に通うことを禁止する強制力はありませんから、積極的に塾などを利用して学力の低下防止を図るでしょう。しかし、全ての家庭がそうした経済的な余裕を持っているわけではありませんから、多くは学童ルームなどを利用するのが中心となるでしょう。

しかし、学童保育ルームなどは、あくまで子どもを預かるのが主たる目的ですから、学習面まで補ってもらえるかというと、それは到底無理でしょう。

普通以上に子どもたちが押し寄せる状況に対しては、現場の人手不足も重なって、とても対応できる状況ではなさそうです。

加えて、感染に対するリスクも平常の学校での生活よりも高くなる可能性さえあります。こうした状況下においては、経済力の差がもろに出てしまうというマイナス面もあるわけです。

国からすれば「背に腹はかえられぬ」といった状況なのかもしれませんが、国にはもう少し確かな方向性と指導力を示してほしいものです。

 ジュニアのクラブ活動にも少なからず影響が出ています。もちろん、こうした状況の中で普通通りの活動を目指すということに対しては問題があるでしょうが、前向きな対応姿勢も見せてほしいものです。

市の体育館なども大人の使用は可能だが、小中高生は駄目というような姿勢です。現状では大人たちが感染し、それを家庭内で感染させるという状況が多いのですから、大人たちだけの利用を認めるといった方向は、マイナスでしかないように思われます。駄目であれば、全てがダメといった原則を貫くか、十分な防疫態勢を整えた上での対応が必要でしょう。

 管理する側にとっては、休業中の子どもや学生たちを大人たちと同等にすることは、当然、他者からの非難が想像できますから、そこは平穏無事を願っての処置なのでしょうが、一ヶ月あまりの軟禁状況におかれ、精神的に追い込まれた子供たちの反乱にも怖いものがあることをも知るべきでしょう。