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指導者の方向性

 今年度のクラブの成績については、自分自身の体調の不良も原因して、練習場所が3カ所に分かれてしまったこと、また、低学年の初心者層が増加したことなどもあってか、やや低迷してしまいました。

練習日数や練習時間は、大きく変化したわけではないのですが、練習場所、指導者などに変化があったことは、クラブの進むべき方向性にも影響を与えてしまったのではないでしょうか。

 指導者が多様化するということは、有り難いことなのですが、それぞれが目指す方向も多様化するということになります。

目指す方向が多様化することを全否定するわけではありませんが、同一チームにあって多様化することについては、問題がありそうです。

指導者それぞれが、多種多様な考え方を有するのは当然ですが、それがチームのまとまりを欠く原因になったり、目指す方向に影響を与えてしまうなどのマイナス面があります。

中学生、高校生にもなれば、多様な指導に対しても、個人の取捨選択能力が発揮されるでしょうが、小学生、とりわけ、低学年の子どもたちに、そうした能力を発揮させることは非常にむずかしいでしょうから、いたずらに困難をまねくだけではないでしょうか。

 このクラブを始めた当初から、中学生や高校生のクラブ活動とは違い、時間も限られ、まだ幼い子どもが対象ということもあり、このクラブの指導の中心は、基礎・基本をその中心にしょうと考えてきました。

シャトル打ち中心の練習は、子どもたちにとっては、非常に魅力的なのですが、それが前面に出てしまうと、それ以前の基礎・基本であるフォーム作りやフットワークなどについては、おろそかになりがちです。子どもたちには、決して魅力的なものではないでしょうが、しなやかなフォームや軽やかなフットワークを身につけることは、結果的には、その後の成長の土台となるはずです。

また、素振りやフットワーク中心の練習は、シャトル打ち中心の練習に比べて、シャトルに対する感覚は多少遅れるかもしれませんが、後々は、シャトル感覚はあるが、フォームが定まらない子どもたちに比べれば、絶対に優利な状態にあると信じています。

 もう一つ、指導する大人たちの「トレーナー」に関する考え方なのですが、しっかりとしたトレーナーとしての役割を果たしてくれるのであればいいのですが、徹底したトレーナーとしての役割を果たそうとすると、体力的にも大変な面がありますから、結果的には、単なる遊び相手になってしまっている場合が多く見られます。そうした面については、小学生対象のクラブの指導者は、考えなければならない問題だと思います。

本格的なトレーナーとしての役割は、現役の中学生や高校生に任せることにして、オジさん指導者たちの役割は、小学生にも十分に分かりやすい言葉や身振り、手振りでの指導を心がけるべきだと思います。