オールドマンパワー

 職場こそ違いますが、今なお高校のソフトボールの指導を続けている先輩がいます。勿論、体力は若い高校生に適うべきはずはありませんが、数十倍の気力の持ち主です。

日本のスポーツ指導の方向転換が大きくなされたことは、誰もが承知のことですが、30年以上のスポーツ指導をしてきた者たちにとっては、青天の霹靂であったことは確かです。スポーツ指導者のすべてが、鞭打つような指導をしてきたわけではありませんが、ある現場においては、日本的な指導中心の典型的な名物監督やコーチが存在し、華々しい実績を掲げ持つ者が存在したことも確かなのです。結果として、その指導法こそが正当という見方が主流であったことも確かです。

 方向変化は社会の潮流でもあったわけですから、多くの者はその流れに乗らざるを得なかったわけですが、流れに逆らい、己の人生の流れをも変えた者たちも数多く存在したことも事実なのです。

気力充実の先輩とは、時々お会いする機会があります。語ることの多くは、愚痴であることが多いのですが、未来を語ることも出来るのは、まだまだ気力のあることの証拠ではないでしょうか。

愚痴の多くは、時代の変化や子どもたちの生活の変化であったり、周りの多くの大人たちの活動に対する無関心が多いように思います。無関心の結果として、指導者たちは、保育士ではありませんし、現場は保育園でもありませんが、そうした思いにさせられるようなことがあることも現実なのです。また、教育現場が強い指導をすることを避けて通るようになった結果、礼儀作法を心得ぬ生意気な子どもたちがびこるようになったことは、本当に悲しい限りです。

 仮令、鞭打つ指導は無くとも、昔も今もスポーツ指導が、子どもたちの人生の方向付けの一端を担っていることは確かであると思うのですが、いかがでしょうか。

 オールドマンパワーの源は、子どもたちの情熱と我が身の情熱が合わさった結果と考えられます。